<漫画>真面目なリーマンがパンツを…元芸人漫画家に聞く、社会人お笑いの世界
メーカーの総務で働く若手会社員の渋谷には家庭の事情でお笑い芸人を諦めた過去があった。社会の歯車としてつつがなく働く毎日を過ごすなか、久しぶりに会った元相方の高峰は、コンビを再結成してまた舞台に立ちたいのだという。自身の持つ芸人像と現実のはざまで思い悩む渋谷。果たして彼が下す決断は……。
「good!アフタヌーン」で連載中の『週末芸人』(講談社)は、「社会人お笑い」をテーマにした作品で、そのリアルな描写に多くの賛辞が寄せられている。
今回の記事では、本作を生み出した漫画家の久保田之都さん(@kubota0612)に創作秘話を聞いた。インタビューと共に、『週末芸人』の第1話前編を紹介する。ぜひ最後まで目を通していただきたい。
【マンガ】⇒『週末芸人』の「第1話前編」を読む
学生お笑いに夢中になっていた過去が
――テーマに社会人との“兼業芸人”を選んだ理由を教えてください。
久保田之都(以下、久保田):もともと僕自身が学生お笑いをやっていたんです。サークル内でコンビを組んで、ボケとネタ作りも担当していましたね。メンバーの人柄に恵まれていたこともあって、子どもの頃から漫画家になりたかったのに、1度描くのをやめてお笑いに専念するほど夢中になっていました。
――作中の漫才やコントのネタも久保田さんが考えているのですか?
久保田:僕が昔やってたネタを使ってるのもありますし、 今芸人の友達とルームシェアしてるんですけど、そいつに一緒に考えてもらったりもしますね。やっぱり1人で考えてしまうと客観的に見れないので。
友人の影響を受けたキャラも
――学生お笑いサークルとはどのような雰囲気だったのでしょうか?
久保田:イメージとしては結構スポ根に近いというか、年に1回の大きな大会に向けて、みんなで仕上げていくっていう感じでした。そこでの勝ち負けだったりっていうのが、常にホットなトピックで。僕にとってはそこが全てみたいなところはありましたね。
1番覚えてるのは学生生活最後の大会です。同じサークルの4年生がみんな決勝に残ることができて、仲間でありライバルとして全力で競い合えました。熱い青春時代だったなと思います。
――現実の社会人芸人は久保田さんのように学生お笑い経験者が多いのでしょうか?
久保田:現在のシーンだけを見れば、学生時代にやってた人たちがシフトしている感じです。これから変わっていくかもしれませんが、社会人から初めてやるぞって人はまだそんなに多くない印象です。作中のキャラやエピソードも、今も(社会人)お笑いをやっている学生時代からの友人から影響を受けて思いつくことが多いです。